
AI原論 神の支配と人間の自由 (講談社選書メチエ)
西垣通
講談社 / 2018-04-10
この本について
AIまわりの議論を追っていると、「そもそも人間の心って何なんだろう」「自由意思って本当にあるのか」というところで足が止まる瞬間がありませんか。技術の話をしているつもりなのに、気づけば哲学の沼に引きずり込まれているあの感じです。自分もそこで何度も迷って、この本に助けられました。 『AI原論』は、AIを持ち上げる本でも脅す本でもなく、人間の側にあるややこしさを丁寧にほぐしてくれます。たとえば、AIに心が宿るかを論じる前に、「そもそも人間の心とは、環境と自分の歴史の中で自律的に作動しているシステムなんだ」という視点を示してくれたり、AIがいくら賢く見えてもルールの外に出られない“他律的な存在”だと落ち着いて説明してくれたりします。また、シンギュラリティがなぜ人を惹きつけるのか、その背後にある“神の視点”への憧れのようなものまで踏み込んでくれるので、技術の話がいつの間にか信仰の話になっていた理由が腑に落ちます。 読み終えると、AIへの不安というより、「結局、人間ってこういう存在なんだよな」という実感が静かに残る本です。AIが怖いわけでも万能なわけでもない、でも人間側の複雑さは避けて通れない。そんな感覚を整理したい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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