
呪われた部分 ──全般経済学試論・蕩尽 (ちくま学芸文庫)
ジョルジュ・バタイユ and 酒井健
この本について
仕事でも日常でも、「もっと効率よく」「成長し続けなきゃ」と追い立てられる感じが抜けなくて、ふと立ち止まると自分でも理由のよく分からない焦りだけが残ることがあります。がんばっているつもりなのに、どこかで「そもそも何に向かってるんだっけ」と混乱するあの感覚です。 バタイユの『呪われた部分』は、その焦りを直接慰めてくれるタイプの本ではありません。ただ、世界を“成長”や“効率”とは全然違う角度から見せてくれるので、自分の抱えていた前提そのものがほぐれていくような読後感があります。生命は必要以上のエネルギーを抱え、必ずどこかで「使い切る」ことになるという考え方を知ると、今の社会の「もっと生産しろ」という空気自体がひとつの歴史的な選択にすぎないことが見えてきます。そして、無益に見える行為や、成果に結びつかない時間が、じつは自然の側にある基本的な動きに近いんじゃないか、という視点が静かに入り込んできます。 「効率よく生きたいのに、なぜかそうできない」と感じている人よりも、「効率の正しさ自体にどこか違和感がある」という人にこそ、ゆっくり刺さる本です。読んですぐ行動が変わるというより、気づくと“増やすべきもの”と“あえて手放していいもの”の線引きが少し変わっている。その変化が自分にとって大きかったので、紹介してみました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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