
千夜千冊エディション 本から本へ (角川ソフィア文庫)
松岡 正剛
KADOKAWA / 2018-05-25
この本について
仕事でも日常でも、言葉を扱う場面で「なんだか自分の思考がまとまらないな」「同じことを考えているはずなのに、伝わり方が毎回ズレるな」と感じることがあります。私もそこをずっと迷っていて、手を動かして考えているつもりでも、どこか表面的に言葉を並べているだけじゃないかと思うことがありました。 この本を読んで救われたのは、言葉や思考って“配置”によってまったく別物になる、という当たり前のようで見落としがちな視点を深く掘り下げてくれるところです。パスカルが言っていた「並べ方で意味が入れ替わる」という感覚が、ただの知識じゃなくて、実際の仕事の場で「あ、今まさに配置でつまづいてたんだ」と気づく助けになる。さらに、中世の書物文化の話から、記憶と思考と書く行為が本来はひとつながりだったという視点が示されていて、アウトプットを焦るよりも、自分の中に“置き場”を作ることのほうが重要なんだと素直に思えました。 特に、弱さや小ささが思考を媒介することで巨大なものに匹敵してしまう、というパスカルの感覚は、日々の迷いを抱えたまま進む自分にはかなり沁みました。言葉による修行という言い方もあって、自分のペースで思考を組み替えるための静かな道具をもらったような感じがあります。 思考が散らかりがちな人、言葉の手触りをもう一度確かめたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの75%が集中しています。
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