
ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想 (角川選書)
古田 徹也
KADOKAWA / 2019-04-26
この本について
仕事で言葉に詰まったり、誰かに説明しようとしても「そもそも自分は何を考えているんだろう」と立ち止まることがよくあります。考えを整理したいのに、その“考えるための器”そのものが曖昧なまま動こうとしている感じです。 この本は、そんなモヤモヤを一度立ち止まって見直すきっかけになります。たとえば「私たちは気づいたときにはすでに言語の中で考えている」という指摘。これを飲み込むと、説明の難しさやコミュニケーションの行き違いが、単に自分の能力不足ではなく、言語という仕組みの制約そのものに由来していると分かります。また「既存の語彙を並べ替えることでしか新しい命題は作れない」という話は、創造性を“無から有をつくること”だと思い込んでいた自分の姿勢を、少しだけ現実的な方向に戻してくれます。さらに「語りえないことについては沈黙する」という姿勢は、言葉で割り切れない問題を抱えたままでも生きていいんだと示してくれるようでした。 抽象的な哲学書に見えるかもしれませんが、読み終わったあとにじわっと効いてくるのは、日常で起きている悩みの“輪郭”が少しだけはっきりするところです。言葉の外に出られない自分とどう付き合うかを探している人に、特に刺さる一冊だと思います。
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