
ウィトゲンシュタイン 『哲学探究』という戦い
野矢 茂樹
岩波書店 / 2022-02-08
この本について
日常の会話や仕事で、「言っていることは分かるはずなのに、なぜか噛み合わない」と感じることがありませんか。自分の言葉の意味を説明しようとすると、どこからどこまでを前提にして話しているのかが曖昧で、だんだん自分でも分からなくなる。僕もそこで何度も足を止めてきました。 この本を読んで腑に落ちたのは、言葉の意味って頭の中にある“像”ではなく、実際にどう使っているかの中にしか宿らないという視点でした。たとえば「読む」という行為ひとつとっても、音読から地図読み、人の気持ちまで幅があるように、概念はきれいに定義できるものよりも、生活の中で少しずつ形を変えるものとして捉えた方が扱いやすい。そう思えるだけで、言葉の取り扱いに無理が減りました。また、疑おうと思えばいくらでも疑えてしまうけれど、普段の生活で問題なく機能している前提は数えきれないほどある、という指摘も、行き過ぎた「正しさ探し」から距離を置くきっかけになりました。 哲学の難問に挑む話に見えて、実は「自分が普段どう言葉を使っているのか」を静かに見直させてくれる本です。思考が絡まりやすい人、説明しようとするほど自信がなくなるタイプの人にはとても刺さると思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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