
それは私がしたことなのか (新曜社)
古田 徹也
新曜社 / 20130802
この本について
自分の「意志」って、本当に自分のものなんだろうか。やると決めたはずなのに動けなかったり、逆に気づいたら何かを選んでいたり。そういう場面が積み重なると、どこまでが自分の判断で、どこからが癖や流れなのか分からなくなることがあります。私自身、仕事の場面で「なぜそう答えたんだろう…」と後から思い返してモヤモヤすることが少なくありません。 『それは私がしたことなのか』は、そのモヤモヤをごまかさずに見つめるための視点をくれました。行為や意図、欲求といった言葉を、脳科学でも精神論でもなく、具体的な場面と結びつけて捉え直していきます。「承知しましたと言いがちな傾向」みたいな、誰もが心当たりのあるクセを哲学的に説明してくれるので、自分の行動が少し立体的に見えるようになるんです。さらに、意図が頭の中の“内語”として存在するという感覚自体を問い直すくだりは、普段あたりまえに感じていた「意志」の輪郭が揺れるような体験でした。 この本のいいところは、「自由意志なんてない」みたいな極端な結論に走らず、私たちが当事者として受け取っている実感を丁寧に扱うところです。だから読んでいて、自分の弱さや迷いを否定されずに、むしろそれを材料にして考えを深めていける感じがありました。 自分の行動や責任の感覚にうっすら違和感を持っている人、あるいは「なぜあの瞬間ああ動いたのか」を理解したい人には特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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