
未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論~ (光文社新書)
妹尾 武治
この本について
「自分の選択って、本当に“自分”が決めてるのか?」とふと思うことがあります。うまくいかなかった日の夜とか、気がついたら同じ失敗を繰り返している時とか。意志が弱いのか、環境のせいなのか、そもそも意志なんて本当にあるのか……と、考え始めると足が止まるあの感じです。 妹尾さんの『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。』は、そのモヤモヤを正面から扱いながらも、説教ではなく“視点の遊び場”として読めました。量子論の揺らぎから「世界は観察されて初めて固まる」という話や、AIのブラックボックスと人間の自由意志がほぼ同じ構造だという指摘は、日常の小さな選択を「別の角度で見てもいいんだ」と思わせてくれます。また、脳が意志より先に動いているという実験の話は、頑張れない自分を責めるより「そういう仕組みなら仕方ないか」と力が抜けました。それでも人生はプロレスみたいに、結末が決まっていても今この瞬間に意味がある、という言い方が妙に腑に落ちます。 自由意志の有無を断定する本ではなく、自分の行動や感じ方を“もう一段外側”から見直してみるための道具箱に近いです。特に、「自分をコントロールできていない気がする人」には刺さると思います。理屈で割り切れない気持ちを抱えたまま、それでも前に進むための小さなヒントが見つかる本でした。
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