善の研究 (講談社学術文庫)

善の研究 (講談社学術文庫)

西田幾多郎 and 小坂国継

講談社 / 2006-09-10

累計読者数8
平均ハイライト数 14.8件/人
推定読了時間 約6時間22分
star総合評価 53/100
start序盤集中型

この本について

仕事でも私生活でも、「やるべきことは分かっているのに、意志がついてこない」と感じる瞬間ってありますよね。動けない自分を責めたり、逆に動いてみても中身が伴っていないような気がしたり。そのズレが続くと、そもそも自分は何を基準に判断しているのか…という根っこのところで迷いが出てきます。 『善の研究』が面白いのは、この「ズレ」を意志力の不足としてではなく、意識そのものの働きとしてとらえ直してくれるところです。たとえば、行為は動作そのものではなく、その背後にある意志の統一から生まれるという話。あるいは、判断や意味づけは、過去と現在を意識の中で結びつけた結果にすぎず、もっと手前に“事実そのものとしての経験”があるという視点。これに触れると、普段の迷いや焦りが、ただの「思考の揺れ」ではなく、自分の中の統一作用そのものだと思えてくるのです。 読み進めるうちに、「ちゃんと考えれば正しい答えに行き着く」というよりも、「今この瞬間にどう意識が働いているか」を丁寧に見ることが、行為にも判断にも直結していたんだと静かに腑に落ちてきます。派手な処方箋がある本ではないですが、自分の行動の根っこを扱いたい人には深く染みる一冊だと思います。 自分の考える癖や行動の源泉を、いちど地層レベルから見直したい人に特に向いています。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

日本最初の本格的な哲学書『善の研究』。深い思索とたゆまぬ探究心、西洋思想との厳しい対決。西田幾多郎は、人間の意識を深く掘り下げ、心の最深部にある真実の心は何かを探究し続けた。本書では、難解な本文を平易に噛み砕きやさしく読み解き、詳細で懇切な注釈と的確な解説を施し、論旨を纏め示す。2編の補論も収載、西田の代表作理解のための最善の書。(講談社学術文庫)
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