
市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学 (日本経済新聞出版)
ハワード・マークス and 貫井佳子
日経BP / 2018-10-31
この本について
投資を続けていると、「今って攻めるべきなのか、守るべきなのか」が分からなくなる瞬間がどうしてもあります。ニュースも指標も追っているのに、判断の根拠が自分の中で固まらず、結局いつも同じ姿勢のまま…というモヤモヤ、僕もずっと抱えていました。 この本の良かったところは、未来を当てにいくのではなく、「サイクルの中で自分がどこに立っているのか」を丁寧に掴むための視点が増えることでした。著者は、会計や金融の知識は必要だけど十分じゃない、と最初に釘を刺します。そのうえで、投資家が本当に時間をかけるべきなのは、ファンダメンタルズを深く理解すること、適切な価格を外さないこと、そして環境の変化に応じて攻守のバランスを調整することだと繰り返し語ります。特に「未来は読めないが、趨勢は読み取れる」という考え方は、僕の思考の負荷をかなり減らしてくれました。 サイクルを“当てる”のではなく、“耳を傾ける”。景気や心理の振れ幅がどこにあるのか、今の相場がどの段階に近いのか。こういう問いを持てるだけで、同じニュースの見え方が変わってきますし、ポートフォリオを固定しすぎずに調整する勇気も出やすくなります。僕自身、強気相場の終盤で無理に乗らずに済んだのは、この本の視点のおかげでした。 「予測は無理でも、準備ならできる」という感覚にしっくりくる人には、特に刺さると思います。
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