
戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略 (中公新書)
平川新
この本について
ときどき「日本はなぜ植民地にならなかったんだろう」とか、「戦国から江戸への転換って、教科書で読んでも実感がわかない」というモヤモヤが出てきます。自分もなんとなく理解したつもりで流してきた部分でした。でもこの本を読むと、その“なんとなく”の裏側に、かなり生々しい力関係や国際環境があったことが見えてきます。 特に刺さったのは、秀吉や家康が欧州から“皇帝”として扱われていたという点です。外交文書の呼称をたどるだけで、日本が想像以上に大きな軍事・政治パワーとして見られていたことがわかる。朝鮮出兵も、結果だけを切り出して「無謀だった」で片付けがちですが、当時のポルトガル・スペインの動きを踏まえると、別の意味が立ち上がってくる。植民地主義に対する“先手”という視点は、自分の歴史の読み方を少し揺さぶられました。 もう一つは、戦国の群雄割拠が“弱点”であると同時に、結果的には列島全体の軍事力を底上げしていたという話。分裂から統一へ向かうプロセスそのものが、外からの侵略を跳ね返す体制につながっていく。これを知ると、歴史がただの国内ドラマではなく、世界史の力学のなかで動いていたことが腑に落ちます。 過去の出来事を“そういうものだった”で済ませたくない人、歴史の解釈が一つに固定されるのがしっくりこない人には、かなり響くと思います。自分の歴史観を一段ほぐしてくれる一冊でした。
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