
汝、星のごとく
凪良ゆう
講談社 / 2022-08-04
この本について
人間関係で「わかっているつもりなのに受け入れられない」とか、「自分の気持ちを飲み込み続けていつか破裂しそう」とか、そういうモヤモヤって誰にでもあると思います。相手を思いやってるはずなのに苦しくなる瞬間があって、そこで初めて、自分がどれだけ自分を置いてきぼりにしていたかに気づくこともあります。 『汝、星のごとく』の抜粋を読み返すと、みんなそこに刺さっているんだろうなと思います。正論と我慢の境界がわからなくなる感じとか、「いい女であれ」という目に見えない呪いに縛られる感覚とか、誰かを大切にしているのに自分の輪郭が薄れていくあの怖さ。この物語の人物たちは、それを誤魔化さずに歩き続けるからこそ、読んでいる側の胸にもゆっくり波が寄せてきます。 わたし自身、この本に助けられたのは、選ぶ苦しさを“弱さじゃない”と捉え直せたところでした。未来は過去を上書きできるという言葉も、身に覚えのあるしんどさの上にそっと置かれるからこそ響きます。誰かを選び、何かを捨て、そこに理由を見つけながら進んでいく登場人物たちの姿は、無理に前向きな答えを押し付けてこないのに、読む側の足を少しだけ前に出させてくれます。 自分の気持ちに蓋をするのが癖になっている人に、とても静かに刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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