
星を編む
凪良ゆう
講談社 / 2023-11-08
この本について
日々の人間関係や家族のことで、「正しさってなんだろう」「どこまで他人に歩み寄ればいいんだろう」と迷うことがよくあります。誰かを大切に思っているはずなのに、価値観がずれて傷つけてしまったり、逆に自分が勝手に決めつけてしまったり。そんなズレに疲れてしまうとき、この作品は少しだけ呼吸を深くしてくれる感じがしました。 『星を編む』は、人との関係が思いどおりにいかないのは当たり前だという前提に立ちながら、その「当たり前」を丁寧に見せてくれます。たとえば、善意が必ずしも報われない現実や、親であってもひとりの人間として自立していないと支えることはできないという視点。あるいは、わかりあえない苦しさに無理やり答えを出さなくても、距離の取り方を工夫すれば関係は続く、という静かな示唆。どれも派手ではないのに、具体的な場面で描かれるからこそ、自分の生活のどこかに重ねてしまいます。 読んでいて一番響いたのは、「歪みこそが愛の本質」という扱い方でした。綺麗に整理できない記憶や感情があったとしても、それを含めて生きていくしかないし、その中で自分なりの形を編んでいくしかない。誰かの物語を覗き込みながら、自分の物語も同時に見直すような読書体験でした。 他人との距離感に悩みやすい人、家族との関係に答えを見つけられずにいる人に、静かに効いてくる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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