
逆ソクラテス (集英社文庫)
伊坂幸太郎
集英社 / 2023-06-20
この本について
人と接していると、「この態度、本当に自分の選択だったっけ?」と後からモヤモヤすることがあります。強い人の前では黙って、弱い人には強く出てしまうとか、誰かの先入観に引っ張られて自分の判断が揺れるとか。大人になっても、こういう情けなさって完全には消えないですよね。僕も仕事で同じような後悔を繰り返しています。 『逆ソクラテス』は、そんな自分の弱さを真っ正面から扱う物語でした。子どもたちの視点なのに、彼らが言う「相手によって態度を変えるのは恰好悪い」とか「僕はそうは思わないとちゃんと表明する」という姿勢が、こちらの胸に刺さるんです。先入観の怖さや、ルールに書かれていない場面でどう振る舞うか、といったテーマが、妙に日常へ持ち帰りやすい形で描かれています。 読みながら、「大人だって完璧じゃないし、むしろ子どもの頃より自信のない場面が増えてるよな」と思い知らされつつも、自分の判断を少し丁寧に扱ってみようとか、弱い立場の相手にこそ誠実でいようとか、そんな行動の微調整をしたくなる本でした。過度に勇気づけられるわけじゃないけれど、明日ちょっとだけマシな態度を選べる気がします。 他人の目に振り回されやすい人、自分の意見を飲み込みがちな人には特に届くと思います。
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