
ソクラテスの弁明 クリトン (岩波文庫)
プラトン and 久保 勉
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分は正しいと思っているけれど、本当にそうなのか?」と急に足元がぐらつく時があります。知らないまま突き進ぐのも怖いし、かといって周りの空気に合わせて黙るのも違う気がする。そんなモヤモヤを抱えているときに、『ソクラテスの弁明 クリトン』は、派手ではないけれど静かに効いてきます。 一番刺さるのは、ソクラテスが“自分が知らないことを知っていると思わない”という姿勢を貫くところです。相手より賢いかどうかの議論ではなく、「自分の判断が曇ってないか」を問い直す出発点として、これほど実践的な言葉はありません。また、彼が国や周囲の圧力に流されず、それでも対立を楽しむわけでもなく、重い気持ちのまま理性に従おうとする態度は、現代の仕事場でもそのまま応用できます。「正しさ」を振り回すのではなく、逃げもしない、黙って飲み込んでも終わらせない。その中間を選ぶときの参考になる感じです。 さらに、善くなる努力は他人を圧倒することより難しい、という言葉も、日常の選択に“基準”を戻してくれます。評価や成果より、自分が後悔しない選び方をどう積み上げるか。大げさな成功譚より、こういう地味な指針の方が、結局は長く効く気がします。 自分の考えに少しでも不安がよぎる人、あるいは“強く言い切れるタイプではない自分”に後ろめたさを感じている人に、そっと寄り添ってくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの55%が集中しています。
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