
クリトン 叢書ムーセイオン
プラトン and 藤田 大雪
岩波書店 / 198606
この本について
人の目を気にしすぎて、自分の判断がどこか揺れがちになるときがあります。仕事でもプライベートでも、「これ本当に自分が正しいと思ってるんだっけ?」と立ち止まる瞬間があって、でも周りの声のほうが大きく聞こえてしまう。僕自身、そのたびに落ち着かない気分になることが多いです。 『クリトン』を読むと、そのモヤモヤが少しだけ輪郭を持つようになります。大衆の声に振り回されがちなところに、ソクラテスの「考慮すべきなのは、ただ一人でもきちんと理解している人の言葉だけでいい」という感覚が入ってきて、判断基準の置き場所が静かに変わっていく。また、「ただ生きるのではなく、よく生きる」という言葉は、目先の損得や評判より、自分が納得できる行動を積み重ねるほうが長く効くということを思い出させてくれます。理不尽な扱いを受けても仕返しで返さない姿勢も、潔癖な理想論というより、後で自分に残る後味をどう扱うかという実践的な話に近いです。 結局のところ、この対話は“正しさ”を他人に委ねてしまいがちな人に向けて、静かに軸を戻してくれる本だと思います。誰かの目を気にして疲れやすい人、判断の基準をどこに置けばいいのか迷っている人には特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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