
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)
九鬼 周造
この本について
仕事でも日常でも、うまく言語化できない「違和感」ってありますよね。たとえば、人の振る舞いを見てなんとなく惹かれるときや、逆にどこか野暮ったく感じてしまうとき。その感覚に筋道をつけようとしても、うまく言葉が届かない。そんなモヤモヤを抱えている人に、この『「いき」の構造』は意外と効きます。九鬼周造が扱う「いき」は美学の話に見えて、実は私たちの感覚や行動の奥にある“存在のクセ”をゆっくり照らしてくれるからです。 印象的なのは、彼が「まず与えられた具体から出発する」と繰り返すところです。湯上り姿や薄物の衣のような、いかにも具体的な身体の表れから、媚態や意気といった内側の構造へつながっていく。抽象に逃げず、感覚と行動の接点をていねいに捉える姿勢は、日々の人間関係で「この距離感、何なんだろう」と悩むときの視点の訓練になります。また、「諦め」や「無関心」のような一見マイナスに見える気分まで構造の一部として扱うところは、感情を切り捨てずに整えるヒントにもなりました。理解できないまま抱えてきた気配や空気感が、少し輪郭を持ちはじめる感覚があります。 雰囲気の良さや立ち居振る舞いの差がどこからくるのか、その根っこを静かに確かめたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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