
はじめての構造主義 (講談社現代新書)
橋爪大三郎
講談社 / 1988-05-20
この本について
自分が見ている“世界の当たりまえ”って、ほんとうに当たりまえなのか。仕事でも日常でも、他人の価値観に触れた瞬間にふっと立ち止まってしまうことがあります。相手の考えが理解できないというより、「そもそも前提が違うんだろうな…」という、あの正体不明のモヤモヤです。 『はじめての構造主義』は、そのモヤモヤに輪郭を与えてくれる本でした。たとえば価値についての話。自分が“価値があるから欲しい”と思っているものも、実は “交換されるから価値が生まれる”だけかもしれない。世界の見え方が、言語や制度といったフレームに強く依存しているという指摘も、日常の違和感にそのまま重なります。自分の判断が絶対じゃないと認めたうえで、相手との距離を測り直せる感覚がありました。 構造主義というと小難しそうですが、著者は「人類がどんな仕組みで社会をつくってきたか」を徹底的にかみ砕いて説明してくれます。ヨーロッパ的な“主体”の考えをいったん脇に置いて、別の文化のものの見方に触れるだけで、自分の中の固定観念が少しだけ緩む。その小さな揺らぎが、他者とのつきあい方にも効いてくると思います。 前提を疑うのが苦手だけど、どこかで行き詰まりを感じている人に刺さる一冊です。
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