
言語ゲームの練習問題 (講談社現代新書)
橋爪大三郎
講談社 / 2022-12-15
この本について
ときどき、自分が見ている世界や感じている「当たり前」が、他の人と本当に同じなのか分からなくなることがあります。議論がすれ違う理由も、価値観が噛み合わない理由も、説明しようとすると余計に混乱したりしますよね。そんなモヤモヤに向き合うとき、この本がけっこう心強かったです。 読んでみて感じたのは、「言葉のルールは、ものそのものに埋まっているんじゃなく、人と人のあいだで立ち上がる」という視点に触れるだけで、世界の見え方が少しゆるむということ。たとえば「痛い」と言うから痛いことになる、という話は、一見極端だけど、日常のコミュニケーションがどれだけ“ふるまい”に支えられているかを教えてくれます。さらに、価値観も同じで、「人が価値を求めるのは、他の人がそれを価値だと思うから」という指摘は、社会の基盤を別の角度から見るきっかけになりました。 この本は、何かを断定してくれるタイプではなく、むしろ「近代の前提をいったん外してみるとどうなる?」という実験に一緒に付き合う感じです。複雑な世界の成り立ちを、いきなり全部理解しようとせず、まずは足元の言葉の使い方から探っていく人に向いています。こんがらがった考え方をほどきたいとき、少しずつ効いてくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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