
九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)
九鬼 周造 and 大久保 喬樹
KADOKAWA / 2011-02-25
この本について
人間関係で踏み込みすぎたかも、でも距離を取りすぎても味気ない…そのあたりの塩梅でよく迷います。仕事でもプライベートでも、近づきすぎれば重くなり、離れればただの事務連絡。どう動けばいいのか自分でもわからなくなる瞬間があります。 九鬼周造の「いきの構造」を読むと、この曖昧さそのものに意味があるのでは、と思わされます。媚態の核心が「接近しながら一つにならない」不安定さにあるという指摘は、人との距離感に正解を求めがちな私にはけっこう効きました。関係を固定化しないことが、むしろ関係を豊かにするという発想は日常でも応用できます。それから、日常のぬるま湯に流されず、それでも目的に縛られない“遊び”としての態度を持つこと。これはタスクに追われて気持ちが凝り固まりがちなときに、視点を一度ほぐしてくれます。さらに、この本は単なる美学の話ではなく、九鬼自身の家族関係や時代背景まで踏まえて「いき」を民族的な意識の構造として読み解いていくので、文化論としても深く刺さります。 肩の力を抜いて関係性を扱いたい人、あるいは距離のとり方に正解を求めすぎて苦しくなるタイプの人には、とくにしっくりくるはずです。自分の中の曖昧さを、少しだけ肯定できるようになる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの42%が集中しています。
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