
日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く (講談社現代新書)
松岡正剛
講談社 / 2020-03-18
この本について
ニュースやSNSを見ていると、社会全体が「何が起きているのかよく分からない」という感覚に陥ることがあります。自分の足元の文化や価値観まで、どこか判然としなくなるあの感じです。欧米の枠組みで日本を理解しようとして余計に混乱したり、自分の感覚が古いのか新しいのか判断できなくなったり。僕自身もずっとその水槽の中でもがいていました。 松岡正剛『日本文化の核心』は、その混乱をいきなり整理してくれる本ではありません。でも、僕らが気づかないまま身につけている“日本のスタイル”に光を当ててくれる感覚があります。たとえば、物事を器として受け取り、感情や意味をそこに乗せていく発想。あるいは、「わかりやすさ」へ過度に流れてしまった現代の情報文化を、歴史的な流れの中で見直す視点。どれも、今の自分の立ち位置を静かに整えてくれました。 読みながら、自分が何に違和感を覚えていたのかが、少しずつ輪郭をもってきます。欧米型の説明に当てはめすぎなくていいこと、「通りすぎていく」感覚の大事さ、極端を封じると本当の中道が見えなくなること。どれも机上の議論ではなく、日常のなかでふと腑に落ちる場面がありました。 文化や価値観の揺らぎを前に、「自分は何を拠り所にしているのか」が分からなくなる人にとくに刺さる一冊だと思います。
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