
最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (TO文庫)
二宮敦人、syo5
TOブックス / 2018-04-02
この本について
ときどき、自分の気持ちに整理がつかなくて「何が正しいのか」「自分は間違って生まれてきたんじゃないか」とまで考えてしまうことがあります。仕事でも家庭でも、人との距離の取り方ひとつで心がすり減る日があるし、誰かを救いたい気持ちと、自分を守りたい気持ちがごちゃ混ぜになることも多いと思います。 この本の抜粋を読んでいると、そういう“割り切れなさ”を抱えたままでも人は誰かとつながれるし、絶望のすぐ隣に小さな光が潜んでいることを、登場人物たちの関わりが静かに示してくれます。特に、福原が父との距離を埋め直していく場面や、桐子が「救われる人」として福原本人を指す瞬間は、読者自身の痛いところをやさしく突いてくるはずです。「もう変われない」と思い込んでいた場所から、一歩だけ動けるようになる感覚があります。 そして、この物語が効くのは、大きな答えを押しつけるからではなく、苦しみの理由を誰かの“理屈”の中にそっと見つけ直すよう促してくれるところ。人の弱さや不器用さを否定しないまま、関係が“変わる”のではなく“取り戻される”という描き方も現実的で、過度な希望ではなく「これなら信じられるかもしれない」と思わせてくれます。 人間関係の行き詰まりや、家族とのわだかまりを抱えたまま仕事をしている人ほど、深く刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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