
そして、バトンは渡された (文春文庫)
瀬尾 まいこ
文藝春秋 / 202010
この本について
人間関係に揺れたり、家族の距離感がよくわからなくなったり、何を優先すればいいのか迷うときってありませんか。誰かと深く関わりたい気持ちと、傷つくのが怖い気持ちが同時に走って、どこにも正解が見えないあの感じです。僕もよくそこで立ち止まります。 『そして、バトンは渡された』が効くのは、なにか大きな答えを示してくれるからではなく、登場人物たちが同じように迷いながら、それでも日々の暮らしの中で少しずつ関係を育てていく姿に触れられるからだと思います。たとえば「今一緒にそばにいてくれる人を大事にしよう」という感覚は、劇的な事件ではなく、日々の台所や会話の積み重ねから生まれてくるものとして描かれていますし、「明日が二つになる」という言葉を通して、自分の人生の延長線上に誰かの未来がつながっていく実感が、じんわり理解できてきます。また、血のつながりよりも“共にいた時間”が人を支えることもあると知ることで、自分の関係性の見え方も少し変わります。 家族に限らず、「自分のまわりにいる人との距離の取り方に悩んでいる人」には、きっとやわらかく沁みるはずです。特別なことをしなくても、人は誰かのそばで少しずつ変わっていけるんだと、読み終わったあと静かに背中を押してくれる本でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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