
そして、バトンは渡された (文春e-book)
瀬尾 まいこ
文藝春秋
この本について
人間関係って、正解が見えそうでまったく見えない時がありますよね。家族だから大事にしたい気持ちと、どうしても噛み合わない現実。自分を優先したいのに、何を選べば満たされるのかもわからない。そんなモヤモヤを抱えたまま、日々をやり過ごしてしまう時があります。 『そして、バトンは渡された』を読んで感じたのは、「家族ってこうあるべき」という形に寄りかかれない人ほど、この物語が静かに沁みるということでした。登場人物たちは立派じゃないし、揺れてばかりです。でも、だからこそ“優先順位のつけ方”や“未来に手渡す感覚”が、自分の生活の延長線で考えられるんです。たとえば、誰かのために費やす時間がいつのまにか自分の意味になっていく瞬間や、血縁よりも一緒に過ごした時間が家族を形作ること。そういう場面が、読みながらじわじわ効いてきました。 また、「だいたいのことはぼんやり収束していく」という視点も、何かを完璧にやらなきゃと思いがちな時の力になります。うまくやれているように見える親だって自信なんてなくて、それでも明日を二つに増やすように誰かの未来を思う。その揺らぎごと受け入れていいんだと感じられます。 家族との距離感に悩んだり、自分の選択にいつも少し不安を残してしまう人に、そっと効いてくる物語だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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