
ある男
平野啓一郎
コルク / 2018-09-28
この本について
誰かの過去や肩書きに振り回されてしまう時ってありますよね。人を理解したいのに、どこまで踏み込んでいいのか分からなかったり、逆に自分自身の「何者なのか」に疲れてしまったり。過去の選択や環境のせいにしたくなる一方で、「全部自己責任じゃないのに…」というやるせなさも静かに残る。そういうモヤモヤを抱えているときに、『ある男』はじわっと効いてきます。 この物語が刺さるのは、人物を「ひとつの正しさ」で説明しようとしないところです。愛情だって変化し続けるし、誰かを理解するという行為も、本当は何度もやり直すものだと示してくれる。それに、死者や過去は沈黙したままなのに、こちらから呼びかけることでようやく輪郭が浮かび上がるような描写が多くて、自分の中の喪失に向き合うきっかけにもなりました。あと、人格が遺伝と環境の相互作用だという視点も、「人はそんなに単純に裁けないよな」と落ち着かせてくれます。 誰かの「過去」に怯えたり、自分の「正体」を言い当てられそうで不安になったりする人には、とても静かに寄り添ってくれる本だと思います。読んだからといって劇的に救われるわけではないけれど、登場人物が自分の痛みを抱えながらも、少しずつ世界との距離を調整していく姿に、自分ももう少しだけ前に進めそうだと思えました。こういう温度感が必要な時に開きたくなる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要








