
最後の医者は海を望んで君と生きる (TO文庫)
二宮敦人、syo5
TOブックス / 2024-12-02
この本について
人の気持ちって、本当に外側からはわからないですよね。元気そうに見えると言われるほど、胸の奥がざわつくこともあるし、誰かの死や病気に向き合っていると、自分だけが取り残されているような感覚にもなる。強くあろうとして平静を装えば装うほど、「自分でも自分がわからないな」と思う瞬間、けっこうあると思います。 『最後の医者は海を望んで君と生きる』は、そんな“見えない心の揺れ”に丁寧に触れてくれる物語でした。登場人物の言葉って、大げさな説教ではなく、むしろ弱さの吐露に近いんですよね。だから読んでいるこちらも、強くならなきゃとか前向きにならなきゃと急かされない。その代わり、自分が誰にも言えなかった感情に名前がつくような感覚があります。たとえば、泣いている最中より泣けない時間の方が苦しいことや、誰かの死をどう扱えばいいのか“置き場”が見つかる瞬間のこと。そういう小さな理解が、じわじわ効いてくる感じでした。 特に、「人の痛みは外からは見えない」「わかってもらえない苦しさすら説明できない」というところに心当たりがある人には、静かに刺さると思います。誰かを失った経験がある人だけでなく、自分の感情の扱い方に迷っている時にも寄り添ってくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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