
HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book)
石川俊祐
この本について
仕事で何かを企画するとき、「結局どこから考えればいいんだろう…」という迷いがつきまといます。ターゲットに話を聞いても表面的な答えばかりで、本当に求められていることが見えない。論理的に整理しても似たような案しか出てこない。僕もずっとこの沼で足踏みしてきました。 この本が面白いのは、そういう行き詰まりの原因を「観察の不足」と「主観への自信のなさ」にあると切り込んでくれるところです。馬車時代の人にニーズを聞いても“速い馬”しか返ってこないのと同じで、本当の課題は相手の行動や無意識の反応の中にある。電車で新聞を小さく折りたたむおじさんや、バス停で日傘のまま立つ女性に目を向けるだけで、課題の入口が見える。こういう視点の転換が、読んでいて妙に腹落ちします。 もうひとつ刺さったのは、「自分をよく見せない」という姿勢。できるふりをし続けるより、できないことを早めに開示して助けを求めるほうが、結果的に良いアウトプットに近づく。IDEOの話が象徴的ですが、これは僕らの普段の仕事にもそのまま当てはまります。肩の力が抜けるというか、「あ、これでいいんだ」と思える感覚がありました。 デザインという言葉に尻込みしている人より、「人から始める思考を身につけたい」と感じている人にこそ合う本だと思います。理屈よりも日常の風景にヒントが落ちている。そんな当たり前のことを、丁寧に思い出させてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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