
サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫)
佐藤青南
宝島社 / 2012-11-01
この本について
人と話していて「この人いま何を考えてるんだろう」とか、自分の受け取った印象が本当に正しいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。相手の態度に揺れる自分もいるし、自分の中の思い込みや防衛反応に振り回されてるだけじゃないか…とモヤッとすることもあると思います。 この作品はミステリーなんですが、事件の心理戦を追いかけているうちに、自分の“見え方”や“決めつけ方”までじわっと浮かび上がってきます。印象がどう歪むのか、肩書きひとつで人をどう評価してしまうのか、本心と違う行動をとるとき身体にどんなクセが出るのか…。犯人追及のための理屈として語られるんですが、読みながら「ああ、日常でも同じことやってるな」と何度もヒヤッとしました。楯岡絵麻のやり方が特別というより、人間の弱さそのものに光が当たる感じです。 特に、防衛機制のくだりは刺さる人が多いと思います。人のせいにしてしまう瞬間や、過去に逃げ込んで正当化したくなる気持ちは、誰にでもある。作中の犯人だけでなく、絵麻自身もそれに揺れていて、そこがこのシリーズのリアルなところでした。事件解決ですら“置き換え”なんじゃないかと自問する彼女を見ていると、自分の行動の裏側も少しだけ見えるようになる気がします。 「人の心理の揺れを、もう少し丁寧に掴めるようになりたい」という人に静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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