
ダイエット幻想 ──やせること、愛されること (ちくまプリマー新書)
磯野真穂
この本について
ダイエットの話題って、表向きは「健康のため」「綺麗になりたい」みたいに言いつつ、胸の奥では別の気持ちが動いていたりしますよね。誰かにかわいいと言われたい気持ちと、そこに縛られている自分へのモヤモヤ。やせたいのか、やせなきゃいけないと思っているだけなのか、その境界がだんだん曖昧になっていく感じ。僕自身も、他人の目を気にしないなんて無理だよなと思いながら生きてきました。 『ダイエット幻想』が効いてくるのは、この「他者の視線」の部分を避けずに扱ってくれるところです。やせたい気持ちの裏に、誰かに選ばれたい、呼びかけられたいという構造がどう潜んでいるのか。かわいさが自分の内側ではなく、関係のなかで生まれる“条件付きの状態”であること。さらに、かわいく見られることで満たされてきた身体が、いつのまにか「自分が何を心地よいと思うのか」を見失っていくプロセスまで描かれていて、読んでいて妙に胸がざわつきました。 この本は、「かわいい」を捨てるべきだとか、社会が悪いと言い切るタイプの本ではありません。ただ、やせることやかわいさを軸に生きてきた人が、大人になる途中で抱えやすい不安や空白を、少しだけ別の角度から照らしてくれます。かわいさの呪いに名前がつくと、急に身動きがしやすくなる瞬間があるんだなと感じました。 特に、かわいさや体型のことで「自分の気持ちより他人の基準が先に浮かんでしまう人」に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
読書の順序
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