
海外で研究者になる 就活と仕事事情 (中公新書)
増田直紀
中央公論新社 / 2019-06-25
この本について
海外で研究しながら暮らすって、どこか憧れる一方で、「結局どうやって仕事が回っているのか」とか「日本の常識が通じるのか」という不安もつきまといます。僕自身、制度の違い云々よりも、“そもそも何を知っておけば迷わず進めるのか”がずっと分からないままでした。 この本は、そのモヤモヤを実務レベルでほぐしてくれます。たとえば、アメリカの大学院に入るために学部生の段階から逆算して動いている話を読むと、努力の方向性そのものが違うと気づかされます。また、研究費のエフォートやテニュア審査の点数制など、口伝えでは理解しづらい仕組みが“現場の温度”のまま説明されていて、日本との価値観の差が表面的な比較ではなく、具体的な行動の違いとして見えてきます。さらに、どの国でも大学が優雅な世界ではなく、むしろ「負け産業」に近い現実を抱えているという視点は、自分のキャリア観を一度フラットにするきっかけになりました。 海外志向というより、「研究者として今の環境に違和感がある人」に届く本だと思います。制度を美化せず、でも悲観しきらず、ただ現場で働く人がどう動いているのか。そのリアルさを知るだけで、次の一歩が少しだけ具体的になります。
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