
星系出雲の兵站―遠征― 2 (ハヤカワ文庫JA)
林 譲治
早川書房 / 2019-11-20
この本について
仕事でも日常でも、「続けること」と「変えること」のどちらを選ぶべきなのか分からなくなる時があります。組織の都合や社会の空気に流されつつ、本当に守りたいものは何なのか、モヤモヤだけが残るあの感じです。僕もよくそこにハマります。 この本を読んで刺さったのは、戦争という極端な状況を通して、“体制を維持する”ことの限界が淡々と描かれているところでした。異文化との衝突が起きれば、勝とうが負けようが変化は避けられない。そういう当たり前だけど目をそらしがちな現実を、物語の中で突きつけられます。また、指揮官がなぜ必要なのか、社会がどんな循環で動くのかといった視点が、人材流出や組織の硬直化みたいな、僕らが日々感じる問題にも重なってきます。遠い宇宙の話なのに、不思議と自分の職場の風景が頭に浮かぶんですよね。 さらに、異星人側にも死者を悼む文化があるという描写が静かに効いてきます。対立しているように見えても、背景にある感情や営みはそう大きく違わないのかもしれない。そう思うと、「自分の正しさ」だけで突っ走る怖さにも気づかされます。 現状維持に違和感を覚えている人や、組織の論理に飲まれたくない人には特に刺さる一冊でした。遠征もののSFとしても面白いですが、読後にじわじわ効いてくる“社会の見え方の変化”こそが、この巻の魅力だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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