
草花たちの静かな誓い (集英社文庫)
宮本輝
集英社 / 2016-12
この本について
忙しさに流されて、家の中がちょっと荒れただけで気持ちまでザワザワしてくる時ってありませんか。家族との距離がうまく測れなかったり、ふと将来のことを考えて不安になったり。大ごとじゃないのに、じわじわ効いてくるタイプの悩みです。 『草花たちの静かな誓い』を読んでいて、保存された抜粋にもそれがにじんでいるなと思いました。洗い物が溜まって悪臭がこもるような生活のほつれ、離婚したら親権はどうなるのかという現実的な不安、死生観までふいに迫ってくる場面。大事件ではなく、日常の細部が人を追い込んだり救ったりする感じが、妙にリアルなんです。そのリアルさが、読み手のどこか固まっていた部分を少し緩めてくれるところがあります。 登場人物たちも完璧からはほど遠くて、感情に揺れたり失敗したりしながら、それでも誰かを思ったり、静かに自分を立て直したりしていきます。何かを劇的に変えるというより、暮らしの中にある小さな再生を拾い直すような読書体験で、読み終わるころには「自分の生活もまだやり直せるところがあるかもしれない」と思えるんですね。 日々の生活がうまく噛み合わないと感じている人にしっくり来る一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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