
わたしの美しい庭
凪良ゆう and 植田たてり
ポプラ社 / 2019-12-03
この本について
仕事でも人間関係でも、わかり合えない瞬間ってどうしても出てきますよね。相手の言動に引っかかるのに、正面からぶつかるほどの元気もない。かといって、黙って飲み込むのも苦しい。自分はちゃんとやれているのか、ただうまくやれてないだけなのか、その中間でずっと揺れ続けるような感覚があります。 『わたしの美しい庭』を読んでいて感じたのは、作者が「正解のない人間関係」を真正面から扱っているのに、そこに重さよりも呼吸の余白があることでした。たとえば、理解し合えない相手とは黙って通りすぎていい、という視点。これは逃げではなく、自分を守るために選んでいい行動として描かれています。また、完璧な大人になれなくてもいい、沈まない程度の浮き輪を拾い集めながら進んでいけばいい、という安心感もありました。そしてもうひとつ、誰かの“解釈”に振り回されず、自分と大切な人との関係は自分たちで決めていいというメッセージが、胸の奥の固まっていた部分をそっとほぐしてくれます。 大きな答えが見つかる物語ではないけれど、日常の小さな迷いを抱えたままでも前に進める余裕がほしい人には、静かに効いてくる本だと思います。気持ちの整理の仕方がわからなくなったときに手元に置いておきたい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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