
君の膵臓をたべたい (双葉文庫)
住野よる
双葉社 / 2015-06-21
この本について
人とどう距離を取ればいいのか分からなくなる時ってありますよね。関われば疲れるし、離れれば空っぽになる感じがして、どちらが正しいのか自分でもよく分からないまま日々が過ぎていく。僕もそうで、「別に一人でいいし」と思いながら、ほんとはどこかで誰かとのつながりを探しているところがありました。 『君の膵臓をたべたい』を読むと、その曖昧な気持ちを少しだけ言語化してくれる瞬間があります。抜粋にもあるように、この物語は「他人との関係が自分を形づくる」という視点を、説教ではなく会話の中で自然に示してくれます。主人公が、興味を持たないふりをしてきた周囲の人にいつのまにか意識が向いていく流れは、自分の中の小さな変化を思い出させてくれますし、「出会いは偶然じゃなく、お互いの選択の積み重ね」という言葉は、人との関係を少し前向きに受け取れる余白をくれるんですよね。 もう一つ、この本が効くのは「今日の価値はみんな同じ」という感覚です。大げさな人生論というより、登場人物たちの日常の中でふっと出てくる言葉が、やたら胸に残る。明日どうなるかも分からないのに、やりたいことを後回しにしてしまう自分にそっと気づかせてくれます。 なので、この物語は「誰かとどう向き合えばいいのかずっと迷っている人」に刺さると思います。大きな答えをくれるわけじゃないけれど、心の温度が一度だけ上がるような、そんな読後感を残してくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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