
西洋哲学史 近代から現代へ (岩波新書)
熊野 純彦
岩波書店 / 2006-09-20
この本について
ときどき、自分が考えていることの「深さ」や「限界」がよく分からなくなる瞬間があります。分かるはずなのに分からない。説明できそうでできない。そういう境界のところで立ち止まってしまう感じです。最近よく相談されるのも、この“思考の手触り”そのものへのモヤモヤでした。 熊野さんの『西洋哲学史 近代から現代へ』は、その境界の揺らぎをそのまま追いかけていく本でした。たとえば、カントが“知りうることと知りえないことの境界に立って問い続けた”という描写は、わかったような顔で世界を語れなくなっている自分には妙に腑に落ちました。ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」も、生き方が変わると見える世界と言葉の領域が変わっていく、という話として読むと、日々の実感にすっと重なります。そしてフッサールの「判断をいったん止める」視点は、目の前の世界との距離の取り方を少し変えてくれます。何かを決めつける本ではなく、経験の構造そのものを照らすタイプの本です。 自分の考え方がどこに制限されているのか知りたい人、あるいは“世界との付き合い方そのものを見直したい”という人には特に刺さると思います。迷っている最中でも読める哲学史でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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