
余命3000文字 (小学館文庫)
村崎羯諦
小学館 / 2020-12-13
この本について
最近、日常がうまく噛み合わないというか、気持ちがふっと宙ぶらりんになる瞬間がありませんか。忙しすぎるわけでもないのに、心だけ置き去りになっているようなあの感覚です。僕もそういう時期が続いていて、長編を読む気力もなく、かといってSNSを眺めても余計に落ち着かない。そんな隙間みたいな時間に、ふと手に取ってちょうどよかったのが「余命3000文字」でした。 この本は、ショート・ショートの連作で、一つひとつがすぐ読み終わるのに、読み終わった後に妙な余韻だけが残ります。たとえば、彼氏がサバ缶になる話。冷静に考えると意味がわからないのに、読んでいると「世界って、案外こういう理不尽さでできてるよな」と妙に納得してしまう。感動するほどドラマチックではないけれど、日常の地面が一瞬だけカクッとズレるあの感じが、かえって気持ちを軽くしてくれるんです。また、短さゆえに読み手の想像が入り込む余白があって、自分の抱えているモヤモヤがそこに勝手に投影されるのも、この本の効き方だと思います。 日常のテンションは保ちたいけど、重い物語に踏み込む気力まではない。そんな「今日はこれくらいでいい」が許される本を探している人には、ちょうどいい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの100%が集中しています。
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