
カラスをだます (NHK出版新書)
塚原 直樹
NHK出版 / 2021-02
この本について
日々仕事に追われていると、「自分の見えている世界って、案外偏ってるのかも」と思う瞬間がありませんか。相手の行動の理由がつかめないまま振り回されたり、データだけ追っても現場感がつかめなかったり。頭ではわかっていても、視点を変えるのってけっこう難しいものです。 『カラスをだます』は、その“視点の固まり”をほぐしてくれる一冊でした。例えば「黄色いゴミ袋が効くのは、カラスが紫外線を見るから」という話は、相手の世界を自分の物差しで測り続けていたことに気づかせてくれます。また、街じゅうのスピーカーを使ってカラスを誘導する実験は、“群れ”に対して働きかける時の情報伝達のズレをどう利用するかというヒントにもつながる。さらに、著者が鳴き声をソナグラムで解析しようと四苦八苦する場面からは、「耳や勘だけでは見えない構造」を丁寧に拾う姿勢が伝わってきます。 結局のところ、この本はカラス研究の話でありつつ、人やチームの“見えている世界”をどう読み解くかという話でもある。行動の裏にある認知や情報の流れまで追いかけたい人には、きっと刺さると思います。 身近な存在なのに、まったく別の世界を生きている相手を見ることで、自分の思考のクセが静かに揺さぶられる。そんな読後感でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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