
ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)
松波晴人
講談社 / 2011-10-20
この本について
仕事で「顧客の本音が見えない」とか、「会議で共有された情報がどうも浅い」と感じることがよくあります。自分なりに考えてはいるのに、現場の解像度が上がらないまま判断してしまうことがあって、あとからズレに気づいて落ち込む…そんな経験、僕もかなりあります。 この本は、そういうモヤモヤを力づくではなく視点の変え方でほどいてくれます。特に刺さったのは、相手の言葉だけでなく無意識の行動からニーズを拾いにいく姿勢と、一度与えた先入観が後の意思決定を歪めるという指摘です。観察の手間はかかるけれど、その分だけ「思い込みではなく、根拠を持って動ける時間」が増える感覚があります。ワーキングマザーの調査のくだりも、相手を批判する視点がどれだけ事実を見えなくするかを具体的に教えてくれました。 現場に足を運ぶことの重さや、観察の負荷についても正直に書かれているので、魔法の方法論ではありません。ただ、付加価値をつくるにしても、生産性を上げるにしても、「まず相手の世界を正しく見る」という当たり前を徹底するとここまで変わるのか、という気づきが残ります。 自分の判断が最近どうも空回りしていると感じる人には、静かに効いてくる本だと思います。
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