
さよならの言い方なんて知らない。5(新潮文庫nex)
河野裕
新潮社 / 2021-02-27
この本について
人とどう関わればいいのか、ふと立ち止まる瞬間ってありますよね。相手を大事にしたいのに、自分の感情ばかり気にしてしまう。あるいは「自分にとっての正しさ」が他人にどう届くのか分からなくなる。僕も、誰かを思う気持ちが本当に相手のためになっているのか迷うことが多いです。 『さよならの言い方なんて知らない。5』を読んでいて刺さったのは、「愛の基盤は自己愛」という一文でした。聞くと冷たく感じますが、物語の中ではむしろ、人が誰かを大切にしようとする時に避けられない“歪み”として描かれています。その歪みを否定せずに見つめることで、自分の関わり方の軸が少しだけ整う感覚がありました。また、香屋が「物語を武器にしたい」と言う場面も印象的で、自分の価値観に影響を与えてくれた作品や言葉が、どれだけ自分の行動を支えているのか思い出させてくれます。強さとか勇敢さより、「何を信じて立つか」が静かに試されるような描写です。 人との距離感や、自分の思いをどう扱うかに行き詰まりやすい人には、特に刺さる一冊だと思います。物語としての熱量はありつつ、読んだあとに自分の感情をそっと整えてくれるような読後感がありました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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