
イギリス史 上 (YAMAKAWA Selection)
川北稔
この本について
歴史を学びたいと思いながら、「結局どこから手をつければいいのか」「国の成り立ちって点で覚えてしまって、線にならないまま終わる」というモヤモヤ、僕もずっと抱えていました。特にイギリス史は、宗教・外交・王権・議会が複雑に絡むので、表面的に追うだけだと「結局なにが起きてたの?」となりがちなんですよね。 川北稔さんの『イギリス史 上』は、その絡まりをほどくときの“よりどころ”になる本でした。たとえば、地名に残るローマ軍の痕跡や、アングロ=サクソン人の拡大といった古層の話が、後の宗教対立や反カトリック感情につながっていく流れが、淡々と書かれているのに妙に腹落ちする。国王の政策や議会との摩擦も、「その時代の外圧や不安がどう影響したのか」という視点で読むと、単なる事件の羅列ではなく、人々の“恐れ”や“期待”が形になった過程として見えてきます。 宗教改革が上からの改宗を軸に広がったこと、ジェントリが産業育成のために試行錯誤していたこと、反カトリック意識が事件や外交で何度も刺激されてきたこと。そういう細部がつながると、今のイングランドの制度や空気の源流が、少しリアルに掴めるようになるのがこの本の良さです。誰かを啓蒙するためではなく、自分の中の理解の土台が静かに補強される感じ。 「歴史の“流れ”を自分の頭でつかみたい人」に刺さる一冊だと思います。
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