
自然主義入門
植原亮
勁草書房 / 2017-07
この本について
最近、考えごとをしていて「どこまでが自分で、どこからが環境なんだろう」とか、「理性とか道徳って、本当に自分の内側から出ているのか?」みたいな、じわっとしたモヤモヤが続いていました。日々判断しているはずなのに、その判断の土台がどこから来ているのか説明できない感じです。 『自然主義入門』は、その曖昧な部分にゆっくり輪郭をつけてくれる本でした。たとえば、合理的思考や言語の獲得が、生まれつきの要素と文化的な環境の積み重ねで成り立っていること。感情が道徳判断に密接に関わっていて、しかもその感情すら文化によって染み込んでいくこと。そして、理性ですら外側の人工物や社会に支えられながら発達してきた、という視点。どれも「自分の判断は自分だけのもの」と思い込みがちなところを、ほどよく揺らしてくれます。 この本がいいのは、何かを断定してくるわけではなく、人間を自然の中に置き直してみたときの“説明できる範囲”がゆっくり広がるところです。個人的には、道徳や理性を特別扱いせず、脳と環境の相互作用として見直す話が一番効きました。抽象的な議論に聞こえますが、読み終わるころには、日常のちょっとした判断が少し違って見えます。 自分の「考え方の土台」をもう一度見つめたい人に、とても向いている一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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