
職業としてのヤクザ(小学館新書)
溝口敦 and 鈴木智彦
小学館 / 2021-04-06
この本について
仕事でも日常でも、人の裏側を想像できずに「なんでこう動くんだろう」と詰まることってありますよね。自分の基準で考えてしまうから読めないだけで、相手の論理が別の場所にあるだけかもしれない。僕もそれで判断を誤ることが多くて、この本を読んでようやく腑に落ちた部分がいくつかありました。 ヤクザを題材にしていますが、実態は「極端な環境にいる人間の意思決定の構造」を丁寧に追った一冊です。例えば、ほとんどの組員が肩書きを持つ理由や、一人でも“組長”になれるという仕組みは、肩書きがどれだけ「外との交渉コスト」を下げるかを教えてくれます。見た目で威嚇する“ヤクザルック”も同じで、暴力を振るわないために雰囲気を作るという視点は、こちらの思い込みを静かに裏返してきます。そして一番驚いたのは、盃の関係が実質的に空洞化していて、「親分が絶対」という前提すら今は崩れているという点でした。外から見えるイメージより、内側の人間関係の不安定さのほうが強い。 読んでいて思ったのは、極端な世界を見ると、普段の自分の判断も相対化できるということです。「なぜこの人はこう動くのか」が読みやすくなる。そういう意味で、この本は“世界の歪みを通して、人間の動きを見る練習”に近いと感じました。表の綺麗ごとより、現実のほうがむしろ学びやすいというタイプの人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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