
清少納言を求めて、フィンランドから京都へ
ミア・カンキマキ、末延 弘子
草思社 / 2021-08
この本について
仕事も人生もある程度やってきたはずなのに、ふと「この先どう動けばいいんだろう」と立ち止まることがあります。知識は増えているのに、判断が鈍くなっているような気がしたり、身軽な決断がしづらくなっていたり。かといって、劇的な挑戦に踏み出すほどの自信もない。そんな中途半端な感じを抱える日ってありますよね。 この本を読んでまず驚いたのは、「中年になると、知ることからわかることが始まる」という実感の描写がまっすぐ胸に落ちてくるところでした。年齢を重ねることが“鈍る”のではなく、ようやく昔の自分が見えてくる。その視点の変化が、旅を通して静かに積み重なっていく感じがとてもリアルです。また、歴史上の女性たちがどんな扱いを受け、どう書かれてきたかを追う中で、現代の私たちが抱く「自分のことを書いていいのか」という遠慮や萎縮の根っこが見えてくるのも大きかったです。やっと言語化されたような気持ちになりました。 そして何より、著者が「旅して、書いて、研究する」生き方に静かに憧れを抱きつつ、それを大それた夢としてではなく“自分の延長線上でもありえる姿”として描いているところが、この本の支えになる部分だと思います。誰かに許される前に、自分で自分の場所を選んでいく。その小さな一歩を考える余白が残されているんです。 自分のペースでもう一度“動き方”を考えたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの56%が集中しています。
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