
教育論の新常識 格差・学力・政策・未来 (中公新書ラクレ)
松岡亮二
中央公論新社 / 2021-09-09
この本について
教育の話になると、「結局、生まれで決まるのでは…」みたいな重たい感覚って、どこかで引っかかると思います。学校ごとの差や、家庭によるスタートラインの違いをなんとなく感じつつも、じゃあ何が本当の問題で、どこから手をつければいいのかは見えにくいまま。僕自身も、教育の話題になるとモヤモヤだけが残るタイプでした。 この本は、そのモヤモヤにかなり具体的に光を当ててくれます。たとえば、親の学歴で入学前から読み書き・算数に差があるという事実や、高校奨学給付金が年間2万人も申請漏れしている現実。何となく「仕方ない」で片付けられていた問題が、データを通すことで輪郭を持って迫ってきます。同時に、話し言葉の文法やストレスの違いによって日本語話者が英語を苦手とする構造など、個人の努力論では説明できない部分もていねいに示されます。さらに、教育行政が「通知」に頼り、効果測定をやってこなかったという構造的な問題も淡々と描かれます。 重たいテーマに聞こえますが、読んでいると「じゃあ自分は何を知っておくべきか」「どこに誤解があったのか」がはっきりしてきて、変に肩に力が入らなくなる感覚があります。思いつきの議論に疲れている人や、教育の話題でいつもモヤモヤが残る人には特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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