
無敵の読解力 (文春新書)
佐藤 優 and 池上 彰
文藝春秋 / 2021-12-16
この本について
仕事でも社会ニュースでも、「なんとなく分かったつもり」で流してしまうことが増えてくると、自分の頭で考える力が鈍っているような焦りが出てきませんか。歴史も国際政治も複雑で、どこから理解すればいいのか分からないまま、結局タイムラインの断片的な情報に流されてしまう。僕自身もそんな時期が長く続きました。 『無敵の読解力』が面白いのは、抽象的な読書術ではなく、具体的な事例を通して「背景を読むとはこういうことか」を体で理解させてくれるところです。聖火リレーが実は戦争の下調べだった話や、香港の一国二制度がなぜ崩れたのかという説明、さらには国際機関の選挙で現ナマが飛び交う現実まで、とにかく“現実の動き”が生々しい。こういう具体例を踏まえて読むと、ニュースの表層ではなく、その裏にある意図や歴史の流れが少しずつ見えるようになるんですよね。 それに、マルクスや帝国主義論のような重たいテーマでも、著者ふたりが「結局、人間の欲望や共同主観性の話に落ちてくる」と示してくれるので、自分事として捉えやすい。難解な言説を神棚に上げず、「現代の自分の行動にどうつながるのか」を考えるきっかけになる本です。 ニュースの背景を自分の言葉で語れるようになりたい人や、「このまま断片情報だけで判断していて大丈夫なのか」と感じている人には刺さると思います。僕にとっては、世界の見え方を一段深くしてくれた一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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