
アマゾンVSウォルマート――ネットの巨人とリアルの王者が描く小売の未来
鈴木 敏仁
ダイヤモンド社 / 2022-03-02
この本について
仕事で「この施策、本当に意味あるんだっけ」と立ち止まる瞬間ってありますよね。競合の動きばかり追ってしまったり、目の前の売上をつい優先してしまったり。自分もよく迷うのですが、この本を読むと、そもそも“何を起点に考えるべきか”が少し整理されました。 面白いのは、ウォルマートもアマゾンも、派手な戦略よりも「売価をどう下げ続けるか」「顧客の時間と手間をどれだけ奪わないか」という、ごく地味な論点を徹底しているところです。例えばウォルマートは、安売りの裏でサプライチェーン全体を静かに整えていくし、アマゾンはEC企業だと思われながら実は物流とデータに全力を注いでいる。読み進めるほど、“強さ”の根っこが全然違うことに気づきます。 もうひとつ、この本が効くのは「新しい仕組みを何となく導入してしまう」あの感覚を反省させてくれる点です。店舗のフルフィルメント化やテクノロジー導入の裏にあるROIの計算、リアルとネットのデータをつなぐ理由など、どれも現場の延長線で語られていて、実務をやっている人ほど腑に落ちます。競合ではなく顧客を見るとは何か、抽象論ではなく具体的にイメージできるのがありがたいです。 特に、日々の改善がどこにつながっているのか迷いがちな人には刺さると思います。自分も読んでいて、やるべきことは派手さよりも“負荷を増やさない仕組みづくり”なんだと改めて思いました。
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