
指揮官たちの第二次大戦―素顔の将帥列伝―(新潮選書)
大木毅
新潮社 / 2022-05-25
この本について
仕事でも人生でも、目の前の課題に全力で対処しているつもりなのに、「そもそも土俵が不利なんじゃないか」と感じることがありませんか。がんばり続けているのに戦略的には詰んでいる気がして、どこで踏ん張ればいいのか分からなくなるあの感じです。僕もよくそこで迷います。 『指揮官たちの第二次大戦』を読んで救われたのは、成果が出ない理由を「自分の能力不足」だけで説明しなくていい、という視点でした。枢軸国の指揮官たちが、国家としてのリソース不足ゆえに、作戦レベルのアクロバットで帳尻を合わせ続けるしかなかった話は、状況が人をどう追い込むかを静かに突きつけてきます。一方で、アメリカ軍のように、個の才覚よりも「使える資源をどう配るか」を重視する組織のあり方は、仕事の現場にもそのまま重なります。さらに、兵士が死の間際に感じ取った「誠」や、指揮官の人間性が戦場に与える影響の描写は、能力や成果だけでは語れないリーダー像を考えるきっかけになります。 自分の頑張り方にモヤモヤしている人や、「戦術レベルで忙殺されて戦略を見失っている気がする」と感じている人には、とても刺さる本だと思います。戦史なのに、働き方や人の扱い方を改めて考えさせられる一冊でした。
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