性と芸術 (幻冬舎単行本)

性と芸術 (幻冬舎単行本)

会田誠

幻冬舎 / 2022-07-21

累計読者数2
平均ハイライト数 2.5件/人
推定読了時間 約2時間43分
star総合評価 27/100
boltライト読書型

この本について

仕事でも創作でも、何かを形にするとき「これって意味あるのかな」とか「もっと実用的にしたほうがいいのか」と迷うことが多いと思います。目的をはっきりさせないと不安になるのに、目的を優先するとどこか嘘っぽくなる感じもあって、その間で揺れる人はけっこういるはずです。僕自身もそのタイプで、意味や効果を求めすぎて、逆に手が止まることがよくあります。 会田誠さんの『性と芸術』は、そんな揺れをいったん横に置いてくれる本でした。抜粋にもある通り、「曖昧な領域を維持する」とか「意味の絶対零度を目指す」という言い回しが示しているのは、作品に単線的な目的を背負わせない態度です。実用性を前提にしないことでしか見えない表現の幅がある、という視点は、創作に限らず日々の判断にも効いてきます。また「絵は動いているべきか、止まっているべきか」という話も、どちらが正しいかではなく、自分がどんな状態に惹かれるのかを見つけるためのヒントとして読めました。業界の構造や「善」の扱われ方に対する冷静な距離感も、物事を一枚めくって眺める感覚を取り戻させてくれます。 なのでこれは、作品づくりや企画の場面で「意味を持たせすぎて息苦しい人」にとくに刺さると思います。迷いそのものを否定せず、曖昧さを手の中に残したまま進んでいいんだと、静かに背中を押してくれる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

日本の現代美術史上、最大の問題作、 「犬」は、なぜ描かれたのか? 作者自らによる全解説。これは「ほぼ遺書」である。 「もちろん分かっている――美術作品の解説なんて作者本人はしない方がいいことは。だからこんな悪趣味は一生にこれ一度きりとする。本来無言の佇まいが良しとされる美術作品に言葉を喋らせたら――いったんそれを許可してしまったら――たった一作でもこれくらい饒舌になるという、最悪のサンプルをお見せしよう。ついてこれる人だけついてきてくれればいい。」(本文より) 日本を代表する現代美術家会田誠の23歳の作品「犬」は、2012年の森美術館展覧会での撤去抗議はじめ、これまでさまざまに波紋を呼んできた。その存在の理由を自らの言葉で率直に綴る。人間と表現をめぐる真摯な問い。 (目次) I 芸術 『犬』全解説 II 性 「色ざんげ」が書けなくて
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