
性と芸術 (幻冬舎単行本)
会田誠
幻冬舎 / 2022-07-21
この本について
仕事でも創作でも、何かを形にするとき「これって意味あるのかな」とか「もっと実用的にしたほうがいいのか」と迷うことが多いと思います。目的をはっきりさせないと不安になるのに、目的を優先するとどこか嘘っぽくなる感じもあって、その間で揺れる人はけっこういるはずです。僕自身もそのタイプで、意味や効果を求めすぎて、逆に手が止まることがよくあります。 会田誠さんの『性と芸術』は、そんな揺れをいったん横に置いてくれる本でした。抜粋にもある通り、「曖昧な領域を維持する」とか「意味の絶対零度を目指す」という言い回しが示しているのは、作品に単線的な目的を背負わせない態度です。実用性を前提にしないことでしか見えない表現の幅がある、という視点は、創作に限らず日々の判断にも効いてきます。また「絵は動いているべきか、止まっているべきか」という話も、どちらが正しいかではなく、自分がどんな状態に惹かれるのかを見つけるためのヒントとして読めました。業界の構造や「善」の扱われ方に対する冷静な距離感も、物事を一枚めくって眺める感覚を取り戻させてくれます。 なのでこれは、作品づくりや企画の場面で「意味を持たせすぎて息苦しい人」にとくに刺さると思います。迷いそのものを否定せず、曖昧さを手の中に残したまま進んでいいんだと、静かに背中を押してくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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