
Sustainability4.0―日本企業が挑戦すべき「気候変動対応」
桑原 隆志、吉見 望、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 石油・化学/鉱業・金属ユニット
東洋経済新報社 / 2022-09-30
この本について
気候変動の話って、どうしても「専門家だけが理解している領域」に感じてしまって、仕事に落とし込もうとすると途端に手が止まることがあると思います。自分も、CNとかCEとか言葉だけが先走って、結局どこから考えればいいのか迷うタイプでした。 この本が助かったのは、歴史の流れと産業の現場で何が起きていたのかを、ちゃんとつないで説明してくれるところです。たとえば、公害対策では企業側のメリットが明確だったのに、温室効果ガス削減では投資対効果が見えず足踏みした、というような“リアルな事情”が描かれていて、理想論だけでは語れない背景が腹落ちします。また、水素還元製鉄や超臨界CO2サイクル発電のような技術も「夢物語」扱いではなく、どんな制約と可能性があるのかが淡々と整理されているので、自分の業務にどう関係しうるのかを考えやすいです。さらに、環境価値が“エコ=効率”とは別の軸として立ち上がったという話は、これからの事業企画を考えるときに避けて通れない視点だなと感じました。 派手さはないけれど、制度、技術、需要、国際動向がどこで絡んでいるかを知りたい人には刺さる内容だと思います。気候変動対応を「なんとなく遠い話」から「自分の仕事の延長線にある課題」に変えてくれる一冊でした。
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