
文にあたる
牟田都子
この本について
仕事で文章を書くとき、「これで合ってるのかな」とか「自信がないのに、チェックだけは間違えられない」というモヤモヤが続くことがあります。特に、自分の経験値だけで判断しようとすると、知らないことに出会った瞬間に足が止まってしまうんですよね。わたし自身も、文章に向き合うたびにその不安が顔を出します。 『文にあたる』は、そういう迷いに対して派手な答えをくれる本ではありません。ただ、校正という「失敗は許されないけれど、常に失敗の可能性と隣り合わせ」の仕事をしてきた著者の視点が、こちらの肩をそっとゆるめてくれるところがあります。例えば、知らない人間だからこそ立ち止まれる場所があるという話は、経験不足を責めがちな思考を少しだけほどいてくれます。また、文章を映像として頭の中で再生しながら読むという姿勢は、文章に対する精度の上げ方を具体的に教えてくれる実感のある話でした。さらに、ZINEや日記の「野の言葉」に触れるくだりでは、言葉はもっと自由でいいという感覚がじんわり湧いてきます。 この本は、文章を扱う人すべてに向けられているようでいて、「慎重さと迷いを抱えたまま進んでいる人」に特に刺さる気がします。うまく書こう、正しく読もう、と肩に力が入りがちな時に、もう少しだけ自分の目や感覚を信じてもいいのかもしれないと思わせてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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