
校正のこころ 増補改訂第二版: 積極的受け身のすすめ
大西 寿男
創元社 / 2009-11
この本について
文章を書くとき、「どこまで手を入れていいのか」「これは推敲なのか、校正なのか」と境界が曖昧になってしまうことがよくあります。しかもパソコンで打っていると、まだ生まれていない言葉まで“完成したっぽい姿”に見えてしまう。あの違和感、僕もずっと抱えていました。 『校正のこころ』は、そのモヤモヤをほどく視点を何度もくれます。言葉を整えるとは、正解を当てにいく作業ではなく、その言葉が本来もっている体温や手ざわりに即していくことだと語られていて、読んでいると自分の「直し方の癖」がじんわり揺さぶられます。また、校正の中心が“調査と検査”であるという話も、普段の仕事にそのまま置き換えられる感覚がありました。正すだけでなく、影響範囲まで含めて整合性を見る姿勢は、文章以外の場面でも効くものだと思います。 そして何より刺さったのは、言葉を扱うときの「積極的受け身」という考え方です。自分が主導権を握るのではなく、ゲラの言葉と一対一で向き合い、その言葉がどう生きたいのかを聴き取るように接する。その姿勢は、編集や執筆だけでなく、人の話を聞くときの態度にもつながるように感じました。 文章に関わる仕事をしていて、どこかで「自分のやり方に自信が持てない」と感じている人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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